物語・元旦のイソップ童話
肉をくわえたイヌが、橋を渡っていました。 ふと下を見ると、川の中にも肉をくわえたイヌがいます。 イヌはそれを見て、思いました。 (あいつの肉の方が、大きそうだ) イヌは、くやしくてたまりません。 (そうだ、あいつをおどかして、あの肉を取ってやろう) そこでイヌは、川の中のイヌに向かって思いっきり吠えました。 「ウゥー、ワン!!」 そのとたん、くわえていた肉はポチャンと川の中に落ちてしまいました。 「ああー、ぁぁー」 川の中には、がっかりしたイヌの顔がうつっています。 さっきの川の中のイヌは、水にうつった自分の顔だったのです。 同じ物を持っていても、人が持っている物の方が良く見え、また、欲張るとけっきょく損をするというお話しです。 おしまい